ITコンサルタントの仕事内容【日々の業務】

ITコンサルタントが本来やるべきことは、ITソリューションの最適化です。
そして必要に応じて、ビジネスプロセスの改善を支援します。

それでは実際に、ITコンサルタントが日々どのような業務をこなしているか書いていきたいと思います。

ITコンサルタントの仕事内容【日々の業務】

ITコンサルタントが日々やるべき仕事内容は、以下の5段階に分けることが出来ます。

  1. 営業、プリセールス
  2. ヒアリング、分析
  3. 提案
  4. プロジェクト実行、マネジメント
  5. サポート(保守・運用)

ITコンサルタントとしての経験年数やグレードによって、担当出来る範囲が決まってきます。

例えば、ITコンサルタント見習いレベルの場合、上記4や5の仕事に携わることが多いかもしれません。その点は、企業(各コンサルティングファーム)の方針等に左右されるため、一概には言えません。

上記1~3(営業から提案まで)は、一般的にパートナーやディレクターと呼ばれる取締役レベルの人間が担当します。

具体的に、上記1~5の仕事内容について見ていきましょう。

1. 営業、プリセールス

企業規模によると思いますが、ITコンサルティング企業も客商売ですので、営業活動をする必要があります。ここでいう営業活動とは、一般的なものと同じで、見込み顧客にアプローチして、コンサルティングサービスの売り込みを行うことです。

一般的なコンサルティング企業の場合、このような営業活動は、取締役レベルまたは最低でもマネージャー(中間管理職)レベルの人間が担当します。そのため、こういった営業活動をITコンサルタントの仕事内容として、紹介していないサイトも多いです。というのも、このステップは、実際にプロジェクトが始まる前に求められる仕事だからです。

しかし、確実に必要な仕事です。筆者が勤める外資コンサル企業では、日本語が話せるパートナーがいないため、普段からこういった営業活動を筆者も担当しています。

ちなみに「営業」と「プリセールス」の違いですが、「営業」がマーケティングアポ取り見込み顧客との関係構築に重点を置いている意味合いに対して、「プリセールス」は見込み顧客の抱えている問題を理解し、適切なソリューションに関する情報を提供することが求められる営業活動です。そのため、プリセールスの担当者は、より技術的な知識が求められます。SIer(システム会社)にもプリセールスエンジニアというポジションがありますが、似たような仕事内容です。

2. ヒアリング、分析

ヒアリングとは、顧客の問題を聞き出すこと、分析とは聞き出した問題から課題を定義して解決方法を考えることです。

営業活動によって、コンサルティングプロジェクトが開始すると、ヒアリング・分析を開始することになります。

SIer(システム会社)の仕事がシステム導入にフォーカスしているのに対し、ITコンサルタントの仕事は、問題を解決してくれるシステムを導入するための検討材料を提供することにフォーカスしています。つまり、現状どういった問題や課題をクライアントが抱えており、どういった解決方法であれば状況を改善できるのかを考えることがITコンサルタントの仕事です。

3. 提案

提案とは、ヒアリング・分析した結果(アウトプット)をもとに、最善と考えられる解決方法(ソリューション)を提示することです。コンサルティングプロジェクトでは、この提案内容が最終的な成果物となります。

もちろん、その後にシステム導入プロジェクトを開始する場合、継続して同じコンサルタントがシステム導入を主導することも一般的です。

4. プロジェクト実行、マネジメント

SIer(システム会社)と同様、ITコンサルタントにもプロジェクトマネジメントが求められます。

上記3の提案で、ソリューションを提示した段階で、コンサルティングプロジェクトは完了となるケースもありますが、その後、システム導入プロジェクトに移行するケースも一般的です。その際、システム導入プロジェクト(≒開発プロジェクト)でプロジェクトマネジメントを担当するのは、ITコンサルタントになります。システムの開発や導入などはSIerにアウトソースすることも多いですが、そういった外部の開発会社を管理することも大事な仕事です。SIerと同様で、ベンダーコントロールのお仕事です。また、クライアント企業内の意思決定者や各業務担当者とのコミュニケーションなども担当します。

仕事内容については、一般的なプロジェクトマネージャーと同じイメージですが、経営観点や戦略観点からのマネジメントが求められます。

5. サポート

サポートとは、導入したシステムや刷新した業務フローなどの運用サポート、またシステムの追加開発やその他業務改善などのアフターフォローのお仕事です。

アフターフォローといえど、ここが一番重要といっても過言ではありません。実際にコンサルをして改善した業務や導入したソリューションが良い結果をもたらすかどうかは、このフェーズ以降で明確になるからです。

そのため、ビジネスコンサルティングやシステム導入プロジェクトが完了した後も、継続してサポートを求められることが普通です。

ITシステムのサポートだけであれば、外部のSIerにアウトソースすることも考えられますが、ビジネス的な観点での改善は、ITコンサルタントに求められるところです。

コンサルファームにとっては、新規プロジェクトへを追加提案するチャンスにも繋がります。

いずれにしろ、結果をしっかり出す、顧客を大切にするという意味でも、重要なフェーズです。

まとめ

以上、本ページでは、ITコンサルタントの日々の業務内容について書きました。

ITコンサルタントに興味がある方は、以下の記事も参考にしてみて下さい。

ITコンサルタントの年収について:Big4、外資系、日系比較 【完全版】ITコンサルタントになるには:ロードマップと手順について